PAJメールマガジン
第1号 2010年8月19日発行
日本パラリンピアンズ協会 会長 河合純一
(バルセロナ・アトランタ・シドニー・アテネ・北京/水泳)
会員のみなさん、こんにちは。
一般社団法人日本パラリンピアンズ協会(以下PAJと表記します)の
会長をさせていただいております水泳の河合純一です。
我々、PAJは平成22年2月12日に一般社団法人として新たなる
スタートを切りました。平成15年から細々と活動をしてまいりましたが、
会員のみなさんに十分な情報提供さえもできていなかったことを心より
お詫び申し上げます。
その反省に立ち、PAJメールマガジンを会員の皆さんにお届けすることと
いたしました。
毎月2回発行していきます。原稿は理事や事務局が順番に執筆し、
お届けいたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
第1号ということで、私は「パラリンピアン」について書かせていただきます。
皆さんご承知のように「パラリンピアン」とはパラリンピックに出場した者を
指す言葉です。オリンピック出場者を「オリンピアン」と呼ぶことも、社会的に
まだ知られていないのが現状です。このような状況下では、「パラリンピアン」
という言葉が市民権を得られるようになるまでには時間がかかるのかも
しれません。しかし、この「パラリンピアン」という言葉を我々が使用していく
ことによって、パラリンピックのもつ魅力を社会に発信していく絶好のチャンスと
なるのです。これを生かさない手はありません。
そもそもパラリンピックに出場するまでには、それぞれが多くの困難に直面
してきたことでしょう。また、合理的配慮が乏しい国であるがゆえの不条理にも
出逢ってきたことと思います。それらを受け止め、解決できるよう働きかけて
きたからこそ、今のみなさんがあるのではないでしょうか。
このような貴重な経験をパラリンピック出場を目指している選手や多くの
方々に伝えていくことは、出場したという記憶や獲得したメダル以上に重要な
ことだと感じています。実際にパラリンピックに出場したからこそ語れる我々
パラリンピアンにしかない魅力をもっともっと社会にアピールしていくべきです。
なぜなら、パラリンピアンはその存在そのものが、社会に対し、アスリート
としてパラリンピックムーブメントを発信することができる唯一無二の存在
だからです。正にパラリンピックムーブメントの伝道師としての役割が我々に
あると強く感じています。
このような状況を生かして、日本国内の障害者スポーツをめぐる環境を
飛躍的に改善していくことにも、つなげていかなければならないと感じています。
たとえばですが、ナショナルトレーニングセンターのパラリンピック代表
選手の使用問題においても、一部の競技や選手だけが例外的に使用を
許可いただいているような状況ではなく、オリンピック・パラリンピックという
同じ日本代表としてスポーツ科学の最先端の英知が結集された場所での
合宿、強化が行われることこそが、重要なのではないでしょうか。
そのためにも、早期のスポーツ庁設置、スポーツ基本法の制定に向けて、
活動していきます。直接、意見を行政にお伝えする場、マスコミの方々との
情報交換の場などの開催を考えています。
このように、活動していきたいことは無限に広がっていますが、まずは一歩ずつ
前進していきたいと思います。このメルマガの発行を皮切りとして、ホームページの
充実も図って参ります。
選手の権利擁護、権利主張するだけのPAJではなく、前向きに問題を改善して
いく提案、参画型の組織を目指して、PAJは活動していきたいと思っています。
だからこそ、我々自身が、自らの力で自らを盛り上げていく組織を築いていか
なければなりません。皆さん、お力をお貸しください。何か1つでもよいので、
自分にできることを積極的に行っていきましょう。その際には、PAJに一声
かけてください。そのような情報共有が大切なのです。
これからもよろしくお願いいたします。
最後になりますが、ロンドンパラリンピックに向けての枠取りが激化して
います。水泳は今月、オランダでの世界選手権が第1ステップです。
頑張れ、日本!!河合でした。
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日本パラリンピアンズ協会 会長 河合純一
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-18-2
TEL.03-5773-4705 FAX.03-5773-4747
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