PAJメールマガジン
第21号 2011年6月15日発行
日本パラリンピアンズ協会 会員 及川晋平
(シドニー/車椅子バスケットボール)
PAJ会員の皆様
初めまして。PAJ会員の及川晋平です。
車椅子バスケットボール競技で2000年シドニーパラリンピックに出場いたしました。
今回理事の永瀬さんからお誘いがありメルマガを書かせて頂くことになりました。
私は、PAJが正式に法人格を取る前の段階で、発起人として協力をさせていただきました。
「パラリンピアンとして社会の中でもっとできることがあるはずだ!」
そういう思いを持ち、この会の発足にかかわらせていただいたときのこと、
今でも記憶に残っています。
その後理事の皆様のおかげで法人化の運びとなったことは、
競技の枠を超えて、パラリンピアンが集まり活動することの意味深さ、素晴らしさを
具現化する大きな一歩になっていると思います。
「パラリンピアンとしてできること」
この問いから本当にたくさんのことが浮かんできます。
やるべきことはたくさんあると皆様も実感していると思いますが、
それがなかなかうまく進まない、できない、
ということも一方では痛感しているのではないでしょうか。
しかし、このテーマを扱えるのはやっぱりパラリンピアンでしかなく・・・
我々が中心にやるべきだ!そこにまた行きつき、自覚し、進めていく。
この繰り返しの活動がきっと将来の実になっていく、そう思っています。
「パラリンピアンとしてできること」
これを考えた時、私がやりたい!と一番に思ったのは、
「車椅子バスケットボールの楽しさを若い選手たちに伝えていく!」
ということでした。
私は20代に4年間アメリカに留学し、車椅子バスケ三昧の日々を過ごしました。
日本の野球やサッカーのように、アメリカではバスケットボールが国民に愛されており、
そこから学べることはたくさんありました。
この楽しさの一部でもなんとか日本の選手たちに伝えることができたら、
もっと楽しく、一生懸命に、夢中になれる、そんな環境ができあがるんじゃないか!
そんな夢を持って10年前から毎年Jキャンプ(車椅子バスケットボールキャンプ)を
開催しています。
Jキャンプ:http://homepage.mac.com/campfrom2001/index.html
Jキャンプでは、アメリカのイリノイ大学から車椅子バスケのトップ選手、コーチを招聘し、
過去にJキャンプを経験した日本のトップ選手たちと共に、同大学と協働で作り上げた
独自のカリキュラムを毎年リニューアルしながらプログラムを進めています。
「選手たちがどうしたら全力で楽しめるのか?」
という漠然としたテーマからスタートしましたが、今ではそれを科学的な視点で検証し、
プログラム化していくことで一貫性のあるプログラム提供ができるようになりました。
何をどう学んでいくかで選手たちの楽しみ方、成長の仕方が変わっていくということが、
この10年間の歴史でやっと少しづつ分かってきたように思います。
10年間継続してやっと分かってきたこと、今ではそれが大きな財産となっています。
最初は、
「やりたいけど、うまく進まない、できない」
そんな日々の連続でした。
しかし、諦めず10年続けたことで、やっと手ごたえを感じることができました。
「環境」「社会」に向き合っていく活動は、とても時間のかかることかと思います。
辛抱強く、自分たちの思いを発信し続けること、
結局それが大事なことなのだ、と今では思っています。
10年継続してやってきたこの事実は、今ではJキャンプスタッフの実力とプライドになり、
また更なる発展に繋がっていくと信じています。
これと同じように、PAJの皆さんと時間をかけてこの活動をしていくことで、
パラリンピアンの存在価値が見出され、それを通して我々の実力とプライドに変わっていく、
そんな時が来ると思っています。
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≪事務局より≫
■募金活動
大日方副会長とPAJアドバイザーの東木さんが福島県障害者スポーツ協会さんを訪ね、先の街頭募金で集めた「\301,5063」を届けてきました。
障害者スポーツ選手ら複数のお話を直接伺い、「車いすを入れていた自家用車ごと流された」、「自宅にいたときに地震に遭い2階まで年老いたご両親が車椅子の男性を必死に抱えあげ避難できた」、「自宅前の複数の自家用車が津波にねこそぎ持って行かれた」ということを聞きました。
また「我々車いすユーザーにとって、自家用車、車いすは命の次に大切なモノ」という話もありました。
震災後は燃料もなかなか手に入らず、移動手段もなく水道の復旧に時間がかかり、たいへん厳しい環境下だったそうです。
■5月23日(月)から5月28日(土)までイギリス・マンチェスターで開催されたパラリンピックワールドカップの結果
http://www.jsad.or.jp/event_info/2011/paraWC2011_gaiyo.htm
大会公式サイト
http://www.btparalympicworldcup.com/
■JADA(公益財団法人日本アンチドーピング機構)の評議員会に河合会長が出席しました。JOCとしてドーピング防止活動をさらに充実させなければならないということでした。パラリンピアンにも必要なことですので、いっそうの理解啓発活動に取り組んでいかなければならないと痛切に感じました。
JADAホームページ
http://www.playtruejapan.org/
■6月12日(日)オリンピックチャリティコンサートにパラリンピアン4人が参加しました。オリンピアンといっしょになって、お出迎え、お見送りをしたり、募金活動に協力したりしました。最後にはあの紅白歌合戦のステージでもあるNHKホールで東京フィルというオーケストラをバックに熱唱してきました。とてもよいイベントでした。来年は皆さんも是非参加しましょう。
http://olympic.joc.or.jp/photonews/2011/04/post-84db.html
■6月13日(月)都内ホテルで行われた日本アスリート会議の設立報告会に河合会長、根木副会長が出席しました。様々な競技の日本代表を指揮された方々が発起人となり、アスリートの社会貢献を後押ししていこうという組織です。今後も連携をしていきたい組織です。
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110613/t10013504281000.html
YAHOOスポーツナビ
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/headlines/20110613-00000020-spnavi-socc.html
■アジアアスリートフォーラム2011
日時:2011年7月12日(火)14:00~17:00(受付13:15)
会場:グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール1階「瑞光」
*定員:250名(関係者100席、その他150席先着順)
*参加費無料
*プログラムは一部を除き英語にて実施されます。
(参加者には同時通訳機器を無料にてご用意致します。)
開催チラシ(PDF)あります。欲しい方は事務局までご連絡ください。
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各種大会やスポーツに関するセミナーなどの情報がありましたら、事務局までお知らせください。
毎月1日・15日発行のPAJメルマガで紹介させていただきます。
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一般社団法人日本パラリンピアンズ協会
東京都品川区上大崎3-5-1 YKビル2階 目黒しょうの治療院内
TEL:03-6277-0160 FAX:03-5773-4747
http://www.paralympians.jp
pajoffice@yahoo.co.jp
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